乗用玩具
子ども達は乗り物が大好きですね。子どもが小さい時には、よく近くの踏切まで電車を見に行きました。飽きずにずーっと見ていましたね。電車のあの大きさや動くこと自体が楽しかったようです。保育所でも、よく泣く男の子が電車の絵本を持ってくると、ピタッと泣きやむ事があり、とても助けられました。もちろん電車だけでなく、車や飛行機、とにかく乗り物は大人気でした。
そしてその流れから当然、乗り物玩具は子ども達に大人気。考えてみれば新生児のクーハンやベビーカー、チャイルドシートなど、今の子ども達は生まれながらにして、いろいろなものに乗ったりして移動しています。だから乗り物はある意味当然のおもちゃなのかもしれません。
ここでは「ベビーカー」や「散歩車」などではなく、自分の足で地面をけって進む「乗用玩具」について考えてみましょう。
自分の足で地面を蹴って遊ぶためには、いくつか必要な事(力)があります。まず地面をける力と身体のコントロールができるということ。そして座位がとれる(しっかりと座る)こと。一番大切なことは、前後左右のバランスが取れるということです。これらは考えてみれば当たり前の事なのですが、子ども達の発達の過程で身につけるとても大切な能力です。それぞれにどれも成長の節目の活動であり、それらが統合されていないと乗り物で遊ぶことができないのです。
年齢でいうと、大体1歳ぐらいがめどになるでしょう。ただ補助の在り方や、大人が取手を押すことでサポートするものなど多くの種類があり、一概にいつからとは言いにくいものでもあります。ご使用する製品の説明などを参考にしてください。
基本的には乳児を対象に作られているものですので、3歳ぐらいから体の大きさに合わなくなってきます。座っても足が余りすぎたり、足で動かすものなどは稼働域が狭くて物足りない感じになるでしょう。そうなると、もう少し大きなものや、三輪車や自転車というように選択の幅を広げていくほうがよいでしょう。
text by 神戸常盤大学教育学部こども教育学科 准教授 小崎 恭弘