カレー
離乳食に使う食材選びはいろいろと悩みますね。アレルギーや子どもの体にとってよくないものも、多くありそうです。例えばハチミツなどはその代表といえます。ハチミツはナチュラルなイメージもあり、赤ちゃんにとって優しい食材の様な気がしますが、離乳食において使用は控えるべき食材の一つです。成分の問題ではなくボツリヌス菌が存在する場合があり、赤ちゃんが下痢をする可能性があります。1歳ぐらいからは大丈夫なようなので、それまでは気をつけてほしいですね。
またタイミングで悩むのが「カレー」でしょう。こども達が大好きなイメージがありますし、子ども中心の食生活の大人も、時には刺激的な食事をとりたいと思うこともあるでしょう。
それではカレーはいつから始めればよいのでしょうか?
具体的にこれからというのは難しいですが、カレールーを販売している会社などではこども用のカレーに「1歳から食べ始められる」と書いているところがあります。
ただしこどもの離乳食は子ども一人ひとりの嗜好やペースが違うので、必ずこれでよいというものではありません。あくまで一つの目安だと考えてください。
また「カレー」自体は、香辛料を使用したものであり、その味を楽しむ料理です。必ず食べなくてはいけないものでもありませんし、人それぞれに好みもあります。大人用の味付けだと刺激が強いので、暫くは子ども用のカレーで様子を見ながら、徐々に大人のカレーに移行していくのが良いでしょう。家族と同じメニュー(中身と味は違うけれど)で食卓を囲むことが嬉しくなるのです。
1歳過ぎたら「カレーを食べるのがよい」のではなく、カレーも含めた色々な食材や料理を食べて、豊かな食生活を送り、様々な味や料理の体験をすることが大切です。その様な事が、こどもの味覚だけでなく、感覚や感性なども含めた豊かな経験の基礎となります。
子育ての一つの極意!
食生活は子どもの生活の基本。色々な食材と調理法で、豊かな料理を心がけましょう。その豊かさがこどもの豊かな育ちの第一歩!
text by 神戸常盤大学教育学部こども教育学科 准教授 小崎 恭弘