いつから?いくつから?そしていつまで?

初めての子育てでは、始めるタイミングや終わりにするタイミングに悩むことがたくさんありますね。食べ物や飲み物、着る物、おもちゃ、お出かけなどなど。知りたい事のリクエストもお待ちしています。メールアドレス

※これはあくまでも目安です。赤ちゃんの成長の違いやそれぞれの環境、体質や体力の個人差などで変わってきます。

しゃぶり

 

おしゃぶりはいつからでしょうか?
人間には生まれながらに生理的存在保持のために、本能的に行う行動が備わっています。それらを「原始反射」といいます。バビンスキー反射、モロー反射なんていうおもしろいものや、手のひらに大人の指を持っていくとぎゅーと握る「把握反射」なんかもあります。これって親としてとても感動しますが、実はだれがしても握ってくれます。
その原始反射の一つに「吸引反射」というものがあります。これは口に指などを入れてみると、とりあえず何でも「吸う」という反射です。つまり母乳を吸い生きていくための基本的な行動といえます。だから赤ちゃんはいろんなものを吸う事ができます。
 
ということでおしゃぶりですが、生後1-2カ月ぐらいから使用することはできます。だからといって必ずいるものではありません。またおしゃぶりがないと指すいが始まると思う人がいるかもしれませんが、必ずしも指すいがすべての赤ちゃんにおきるわけでもありません。おしゃぶりも、指すいも全く関係ない!子もたくさんいます。

 

おしゃぶりの利点は大きく二つ。一つは子どもが泣いたりしたときにこれで泣きやむ事ができます。そして指すいをやめさせることができます。しかし泣いたり、指を吸うということは、赤ちゃんにとって決してだめな事や悪影響を与えることだけではありません。それぞれは赤ちゃんなりの感情の表現やメッセージです。例えば「おなかすいた―」「ねむいー」「たいくつ、遊んでー」「こっち向いて―」などという思いや感情が、泣く事や指を吸うという行動として表れてきます。
その時におしゃぶりをしていたら、そのメッセージをうまく発信できません。また親も受け取れません。だからおしゃぶりはあくまで、子育ての便利グッズ、おでかけ時の緊急用品としてとらえてほしいです。泣いた時はおしゃぶり!寝る前はおしゃぶりがないと寝られない!などになるのはあまりよくないです。

 

子どもにとって、外界のすべてを受け止める装置として、口はもっとも発達した器官です。母乳や食物の摂取、水分補給などを行う大切なものであり、そこへの刺激はダイレクトに感情の安定につながっています。大きく成長していく中で、行動レベルの安定から情緒レベルの安定に変化していきます。だからできるだけやめられるタイミングを見計らって辞めてほしいものです。2-3歳ぐらいで、歯が生えそろう頃には辞めていきたいですね。

 

text by 神戸常盤大学教育学部こども教育学科 准教授 小崎 恭弘