特効薬がない!? 3つの夏風邪

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こんにちは!メディカルパパです。

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今回も「お薬の飲ませ方」をお休みして、夏に流行る病気と薬の関係について。ちなみに前回は「夏に流行る3つの皮膚の病気と薬」についてでしたが、今回は「特効薬がない!? 3つの夏風邪」について書きたいと思います。

ママさん・パパさんがまず驚かれることが「特効薬がない!?」ということだと思います。今回、説明する「3つの夏風邪」とは手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱。全てウイルスが原因の感染症なので、細菌に効果がある「抗生物質」では効果がありません。つまり、病気の根本から治療するのではなく、出ている症状を対症療法するしかないという事なのです。※細菌とウイルスは別。

特効薬がない!? 3つの夏風邪1~手足口病~
その名の通り、手・足・口などに小さな水泡がでます。また微熱が出る事もあります。

◆まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院が必要なこともあります。
◆原因はいくつかのウイルスです。なので、抗生物質は効きません。
◆手足口病に対する治療法は無く、熱・頭痛・口腔内の痛み等への対症療法が中心です。

特効薬がない!? 3つの夏風邪2~ヘルパンギーナ~
突然の発熱が特徴で、学校や園から保護者が呼び出される事が多いです。喉の炎症がひどいと、飲んだり食べたりする事を嫌がります。

◆まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院が必要なこともあります。
◆熱さましの薬で喉の痛みも抑える事ができます(熱が無くても使用する事はあります)。
◆喉越しの良い飲み物や食べ物でしっかり水分を補給する事が大切です。

特効薬がない!? 3つの夏風邪3~プール熱~
正式名称は「咽頭結膜熱」。39度くらいの高熱が急に出ます。また、他の2つと比べると長く症状が続く事があります。熱が治まった後も、結膜炎、腹痛、下痢、などの症状が続く事もあります。

◆小児科を受診すれば、15分前後でウイルスを検出する簡易診断キットがあります。
◆目の症状がひどい時は、目薬が処方される事があります。
◆熱さましや整腸剤など出ている症状に合わせた対症療法の薬を使います。

いかがだったでしょうか?「特効薬がない!? 3つの夏風邪」。何度も繰り返しますが、これらは原因がウイルスなので、抗生物質では効果がありません。出ている症状に対して対症療法で行くしかないのです。

ただ、ひとつ覚えておいて欲しい事は、夏の風邪症状の全てが抗生物質の効かない病気ではないという事。溶連菌感染症や細菌性胃腸炎(食中毒)なども夏に流行しますが、これらは細菌が原因である為、しっかり抗生物質を飲んで治療しないといけません。そして、何の病気に感染しているか?(ウイルスなのか?細菌なのか?)という判断は医師にしかできません。自己判断はせずに、しっかりと医師に症状を伝えて正しい診断をしてもらう事が大事だと思います。

私たち、親にできる事の基本は「うがい・手洗い」などの予防をしっかりする事です。体調管理に注意しながら、楽しい夏を過ごしましょう!
では、次回もお楽しみに!

パパ薬剤師 中村守男(メディカルパパ)