「夏休み」と「子どもの薬」

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こんにちは!メディカルパパです。
両親の実家にお盆休みで帰省することも多いこの季節。今回のキーワードは「夏休み」と「子どもの薬」に関する話を、僕自身が医療現場で聞く話を交えて書きたいと思います。

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◆「虫刺され」が化膿して「とびひ」になっちゃた!

誰でも経験する夏の定番「虫さされ」。パパやママが子どもの頃には当たり前だったような気がしますが…。あまく見てはいけません。たかが「虫さされ」でも手でかきむしる事で細菌に感染し、「とびひ」になってしまう事もあります。基本は早めのケアでお子さんがなるべく触らないようにする事が大切です。

虫さされ程度なら市販の塗り薬でも大丈夫ですが、ジュクジュクして汁がでてきたり、あまりにも熱を持っている時などは、早めに受診した方が良いでしょう。

◆おじいちゃん・おばあちゃんがお孫さんに「アレルギー」の原因を与えちゃった!
帰省してきた息子(娘)家族と久々に過ごすおじいちゃん・おばあちゃんからすれば、目に入れても痛くないほど可愛いお孫さん。なので、オモチャや食べ物など何でも与えてしまう事もしばしば。ただ、普段は一緒に過ごしていないので、お子さんの体質(アレルギー等)までは知りません。悪気もなく、ただ知らずに与えてしまって、慌てて病院に駆け込むことも…!

実際、僕が働く医療の現場でもよく見かけます。先日も1年ぶりに蕁麻疹の薬が出た子のママさんに話を聞くと、「夏休みで帰省してきたのですが、おばあちゃんが知らずに食物アレルギーのエビを食べさせちゃって!」なんて事がありました。
この予防は何と言っても情報の共有ですね。家族がお互い伝えあっていれば完全に防ぐ事ができる問題です。

◆いつもと違う環境で調子が狂っちゃった!
夏休みに家族で出かけると、いつもと違う布団、自然環境、日差し、周りの人など普段とは全く違う環境に身を置く事になります。特に意識していない事でも、お子さんにとってはとても刺激になったりする事があります。

お盆の時期に医療現場で良く出会うものが「喘息発作」の再発。あるママさんからは「原因が良くわからないけど…たぶんお線香の煙だと思います。ここ数年、全く喘息発作が出ていなかったので全く気にしていませんでしたが…。久々に夫の実家に帰ったら出てしまいました。来年からは気をつけます!」

実際にこのようなケースはなかなか予防できない事ですが、経験を重ねるにつれてお子さんのパターンが見えてくると思います。普段なら大丈夫な事でも環境が変わると発症することもあるので、十分に注意が必要です。

◆親として何をポイントに考えると良いのか?
では、夏休みの子どもの健康に関して、親はどのように考えれば良いか?
ポイントは3つです。

1.アレルギーや体質、持病の情報などを家族や周りのみんなと共有する。
2.ある程度の怪我や突発的な病気(変化)が起きる事が多いと知っておく。
3.帰省先(旅行先)の救急病院や薬局・ドラックストアを把握しておく。

特に①の情報共有は大切だと思います。家族間だけでなく、関わる大人がその子の情報を共有していると未然に防げる事は多いです。おくすり手帳などを活用し、体質やアレルギーなど記載して持ち歩く事も予防の一つになると思います。

いかがだったでしょうか?「夏休み」と「子どもの薬」のエトセトラ。僕が小児医療の現場で毎年感じている事をまとめてみました。そして最後に知っておくと良い話をもう一つ。

◆乳幼児医療証は住んでいる県でしか使えません。
「いつもは0円で調剤薬局のお薬もらえるのに、何で帰省先ではダメなの?」という質問がありますが、0円なのは住んでいる自治体が負担してくれているからです。なので、よその県に行くと、その分を自分で負担する事になるのです。ちょっとした事ですが、知っておくと焦りませんね!(笑)
(※詳しくはお住まいの自治体にお尋ねくださいませ。)

では、次回もお楽しみに!

パパ薬剤師 中村守男(メディカルパパ)