こんにちは!パパ薬剤師の中村守男です。
僕は、講演・セミナーなどで「お子さんの薬の話」をさせていただく事があります。講演の後半には「質問タイム」のコーナーを取っていますが、ママさんからのよくある質問の中に
「市販薬(例:アンパンマンシロップなど)で済ませるか、小児科に受診するか、迷う事があるけど…その判断の基準は何でしょうか?」
と、いう類のものがありますが、この「答え」はコレです。
「2歳未満であれば、特別な理由が無い限り受診した方が良いでしょう。」
また、追加して
「未就学児(~6歳)であれば、市販薬を飲ませて様子を見る事もあると思いますが、症状が変わらない時や、ひどくなった時は必ず受診した方が良いでしょう。」
とも答えます。
そして、最も重要なポイントとしてこの言葉を補足で使います。
「もし受診前に市販薬を飲んでいた場合は、必ずその事を医師や薬剤師に伝えてください。受診前にどんなケアを行ったかを伝える事が、お医者さんの正しい診断に繋がりますよ。」
この答えにはしっかりした根拠があります。
それは厚生労働省の通知です。
~薬事日報より抜粋~
▽2歳未満の乳幼児に使用する場合は、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させる▽15歳未満の小児の場合、保護者の指導監督の下に服用させる―
詳しくはこちらをご覧ください。
また、あくまでも主観ですが、厚労省がこのような通知を出した背景にはFDA※1の勧告があると考えられます。
※1 FDA:Food and Drug Administration アメリカの食品医薬品局
~薬事日報より抜粋2008年1月~
【FDA】OTC※2かぜ薬の乳幼児への使用中止を勧告
FDAは、2歳未満の乳幼児に対しては、OTCかぜ薬や咳止め薬の使用を避けるべきだと勧告した。稀ではあるが、死亡を含む重篤な副作用が報告されたことを受けての対応。
※2 OTC医薬品:薬局のカウンターで買える(Over The Counter)大衆薬・一般用医薬品
詳しくはこちらをご覧ください。
「コンビニ受診を控える」と「2歳以下は受診を勧める」は相反するように聞こえます。しかし、この二つはシーソーのようなもので、とてもバランスが大切だと思います。
そして、子どもの健康を守るためにはどうしてもママやパパのバランス感覚と正しい知識が必要になると思っています。
僕はこの全国のパパ・ママが正しい知識とバランス感覚がしっかり取れるような情報提供を今後も続けて行きたいと思います。
パパ薬剤師 中村守男(メディカルパパ)