4打数1安打の「KKKH」方式
KKKHは、野球で言うと4打数1安打。以下の原則で、子どもと接してみよう。
人とのコミュニケーションの基本は、まず聞くこと、そして共感すること。「どうしたらいいかな?」と一緒に考えたり、考えるのを手伝ったり。気持ちが決まったら、最後には励ます。これはコミュニケーションの基本形です。子どもは親との会話を通してコミュニケーションの型を学んでいきますから、まず親がこのコミュニケーションの基本を心がけましょう。
子どもは勝手なことを言いますし、「生意気!」と思うこともあるでしょう。子どもといえども、親とは別の人格を持った人間。「こんなことを思っていたんだ」「そういう考え方もあるよね」と肯定的に受け止めてみましょう。自分の気持ちを受け取ってもらえないと、自分の感情を押し殺すようになり、自分の気持ちと対話することができなくなります。自分の気持ちに誠実な人は、他人の気持ちも大切にできるようになります。
昔は家事が大変でしたから、鰹節を削ったり、お風呂を焚いたりが、子どもの仕事になっている家庭も多くありました。毎日やらされると、「どうやったら、ラクにできるか」「どうやったら、もっときれいにできるか」と、与えられた家事に対して、いろいろ試み始めるものです。
お家でも、何か子どもの担当にして、やってもらってはいかがでしょう。年齢にもよりますが、多少の裁量を持たせてあげることも大切です。やってくれるのはもちろん、自分で工夫してやってくれたら「すごいね~」とほめてあげましょう。
子どもの頃は、たくさんの経験をすることが大切です。「そんなことをしたら失敗する」とやらせなければ何の経験にもなりません。試行錯誤して失敗するからこそ、「今度はこうしてみよう」と考え、工夫するようになります。試行錯誤していること自体が、子どもが必死で考えているということ。ママやパパはゆとりをもって、子どもの試行錯誤を見守ってあげましょう。
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/高祖常子