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きちんとワクチン接種しよう!

入園と同時に、感染症になる割合も増える!

きちんとワクチン接種しよう!

いよいよ4月から保育園や幼稚園に入園!
でも、その前に受け忘れているワクチン接種はないでしょうか。入園前に心がけたい感染症予防について小児科医の中山康子先生にお話を伺いました。

中山康子先生
中山小児科医院(東京都小平市)院長。子どもの体や心の健康など、さまざまな相談にのってくれるやさしい先生。お母さんたちの子育ての支援も。

髄膜炎ワクチンセット

1回目の接種月年齢によって、間隔と回数が異なります。

 

「ヒブ」ワクチン

ヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)が原因の細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎などを予防。

対象: 生後2カ月~4歳
接種時期と回数: 生後2~6カ月に開始し、3~8週の間隔で3回、初回接種1年後に4回目を接種

 

「小児用肺炎球菌」ワクチン

肺炎球菌が原因の細菌性髄膜炎や菌血症、肺炎などを予防。

対象:生後2カ月~9歳(助成対象は4歳まで)
接種時期と回数: 生後2カ月から、4週以上の間隔で3回、1歳過ぎ(12~15カ月)で4回目を接種

可能なら入園前に受け忘れのワクチン接種!

保育園や幼稚園に入り、集団生活をするようになると、子どもは感染症にかかる率が高まります。特に注意したいのが、まだ感染症に対する免疫がない0~1歳児です。何でも口に入れたり、いろいろなところを触った手をなめてしまう時期。入園と同時にさまざまな菌に接触する機会が増えますから、入園後、2日程度で病気になってしまう子もいるほどです。

 

入園後に心配な病気は、水ぼうそう、おたふく風邪、ロタウイルス、中耳炎、肺炎など。これらはワクチンを接種することで防げる、またはかかっても軽症で済む病気です。

 

生後2カ月からワクチン接種が始まります。入園を控え、受け忘れているワクチンがあれば、早めに接種しましょう。たくさんの予防接種があり、スケジュール管理が大変ですから、かかりつけの小児科医に、接種スケジュールを相談しましょう。きちんとスケジュール管理して受けていくと、2歳頃までには、ほとんどのワクチン接種を終えることが可能です。

重い後遺症から子どもを守るヒブと小児用肺炎球菌ワクチン

急性中耳炎や肺炎になる子もいますが、これは肺炎球菌感染症による場合が少なくありません。私は園医をしているため、入園前の子どもの健康診断をするときに、小児用肺炎球菌のワクチン接種をきちんと受けるように指導しています。入園前のワクチン接種によって、中耳炎にかかる子が激減したという事例もあるのです。

 

ワクチン接種を受けていなかったために、中耳炎を繰り返す子も少なくありません。園によっては、風邪をひいた子の3人に1人が中耳炎になっているケースもあります。

 

また、同じ肺炎球菌が原因となる病気に細菌性髄膜炎があります。髄膜の中に菌が入り込んで、炎症を起こし、命を落とすこともある怖い病気です。治っても、難聴やけいれん、知能や運動障がいなどの重い後遺症になることもあります。細菌性髄膜炎になる赤ちゃんは、生後6カ月から急増します。

 

日本で年間1000人以上の子どもが発症している細菌性髄膜炎は、ヒブが原因菌のものが約6割、小児用肺炎球菌が原因のものが約3割と言われています。予防にはヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンをセットで接種することが大切です。ワクチン接種によって、かなりの確率で病気を防ぐことができるのです。

ワクチン助成継続!小児科や自治体に確認を

2012年3月までの期限付きで「ヒブワクチン」と「小児用肺炎球菌ワクチン」の接種費用が助成されていましたが、助成が2013年3月末まで延長になりました。自治体によって、ワクチン接種の無料券が配布されたり(自治体により、接種費用の1割程度を負担する場合もあり)、指定された医療機関で接種後、申請すると接種費用を返してくれるなど対応が違います。小児科や自治体に確認しましょう。

※この記事は2012年に取材、掲載されたものです。 
予防接種・ワクチンに関する最新の情報は http://www.know-vpd.jp/ でご確認ください。 

 

取材・文/高祖常子

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