気が合う?気が合わない?育てにくい?育てやすい?
例えば、何事もテキパキとこなせるお母さんは、のんびりしている子どもに向き合うと、イライラすることが多くなるでしょう。潔癖性のお母さんは、泥だらけで遊ぶ男の子の行動に、ついていけないと思ってしまうかも知れませんね。
親子でありながら、個性が正反対というケースは珍しくありません。その関係を通して、子どもは出過ぎたところが収まり、ゆるやかなところが補われてバランスよく育っていくものです。お母さんの方も、忍耐力や許容力がついて、人間的に成長する可能性があります。親と子の個性のぶつかりあい、相互作用が、プラスに働くような関係性を築いていけたらいいですね。
親子のコミュニケーションは毎日続くもの。親子という関係からは逃げられません。子どもの個性を、無理に親に合わせようとしないことも必要でしょう。もちろん度が過ぎればいさめることは必要ですが、走り回りたい、どろんこで遊びたいなど、子どもがやりたい気持ちはできるだけ尊重してあげましょう。お母さんの許せる範囲を広げてみると、親子で衝突することが少なくなります。
お母さん自身がまずは気持ちに余裕を持って、「イヤイヤも成長のステップ」「今の親子の関係を楽しもう」とプラスに考えてみましょう。指示して親の言うとおりにさせるのではなく、「どんな言葉をかけて本人に決めさせようか」「どうスキンシップを図って気持ちを落ち着かせようか」と、対応の仕方を工夫してみましょう。
子どもの性格や特徴で、気にかかる(気にさわる)というのは、物事をマイナスに見ているケースが少なくありません。短所に見える部分も、いったんズームを引くと、必ずプラス(長所)の見方ができるはずです。ポジティブな表現に置き換えてみましょう。
「言うことをきかない」など、親をイライラさせる子どもの言動は、その時期の成長を考えれば、当たり前のことも多いものです。子どもの言動がイライラの引き金になっているだけで、実はお母さん自身が悩みや不安(やりたいことができない焦りや、パートナーに対する不満など)を抱えていることが少なくありません。
子どもに感情的にどなったり、叩くなど、行き過ぎてしまう時は、第三者に相談して“心のエステ”を受けてみるのも賢い選択です。子育ての知恵をもらえる場
として、保育園や児童館の子育てひろば、子育て支援センターのほかに、大学の心理相談室などもあります。適度なリフレッシュを心がけ、ストレスをためないことが一番。お母さん自身が気持ちに余裕を持って関わることが、子どもの個性を伸ばしていくことにつながります。
プラスの考え方で、
子どもの個性が伸びる!
子どもの印象をプラス表現に置き換えてみましょう。弱みと感じていた個性が、その子の強みになっていきます。毎日の関わりの中で、「○○ちゃんのこういうところがママは大好きよ」と言葉をかけてあげましょう。
気が弱い子……………… 気持ちが優しい子
乱暴な子………………… 活発でたくましい子
メソメソする子(泣き虫)… 感受性豊かな子
わがままな子… ………… 意思表示ができる子
ノロノロな子……………… ていねいな子
頑固な子………………… 芯が強い子
神経質な子……………… 繊細な子
落ち着きのない子… …… 好奇心旺盛な子
消極的な子……………… 控えめな子 人のことをよく見ている子
すぐに譲っちゃう弱虫…… 思いやりのある子
ふざけてばかりの子…… 人を楽しませるのが得意な子
イライラや怒りは
「1分以内」と決めよう!
感情的に怒り続けても、子どもは何のことで怒られたのかわからなく
なってしまいます。あれもこれもと、過去のことまでさかのぼるのもよくありません。怒られることがとても多かったり、長時間に及ぶと、子どもは「自分は悪い子」「愛されていない」と心が傷ついてしまいます。
お母さん自身も、後で自己嫌悪に陥って傷つくこともあるでしょう。
イライラや怒りは「1分以内」と決めよう!
子どもに伝えるべきことは、ひと言で済ませます。叱った後は、例えば「おやつにしよう!」と、その場を切り替える工夫をしましょう。怒りが収まらなければ、子どもから少し離れましょう。深呼吸する、風に当たる、手を水で洗う、音楽をかけるなども気分を切り替えるのに効果があります。「今から1分だけ叱るよ」と言葉にするのもおすすめです。
イラスト/犬塚円香 取材・文/中野洋子