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海の生き物と仲良くなろう!

潮だまりを探検して

海の生き物と仲良くなろう!

潮だまりって聞いたことありますか?潮が引いたときに、岩場の凹部に海水が残されてできる水たまりで、タイドプールとも言います。海水だけでなく海の生き物も残されるので、未知の出会いがたくさん!砂浜での海水浴も楽しいですが、2014年は岩場の潮だまりで、生き物探しをしてみませんか?

鍵井靖章さん
水中写真家。大学在学中に水中写真家・伊藤勝敏氏に師事、1993年よりオーストラリア、伊豆、モルディブに拠点を移し、98年に帰国。フリーとして独立。2003年日本写真協会新人賞受賞、2013年日経ナショナルジオグラフィック優秀賞受賞他。2014年8月には東京・東急百貨店渋谷本店にて個展を開催予定。写真集は、『海中散歩』『ゆかいなお魚』(パイインターナショナル)など。

海の底の世界で、生命を存分に味わって

二児のパパでもある水中カメラマンの鍵井靖章さん。海の近くにお住まいで、「昔はよく子どもを連れて海水浴に行っていたのですが、一度潮だまりに連れて行ったら、海水浴より潮だまりで遊びたい!と子どもがすっかりはまってしまって」とおっしゃいます。
 
そんなに楽しいの? 潮だまりではどんなことができるの? その魅力を知りたくて、ミク読者をつのり、「潮だまりを探険し隊」を結成。鍵井さんに案内してもらいながら、潮の引いた海に遊びに行ってきました。

「潮だまりで遊ぶには、干潮時間のチェックから。子どもの体力も考え、干潮前後2時間ずつを遊び時として海に向かいましょう。潮だまりのできている場所は、言わば海の底。つまり、地球の表面です。ですから、宇宙を感じる気持ちで楽しんでほしいですね。日頃は見られない海の底を探険するなんて、それだけでワクワクしませんか?」。
 
潮の満ち引きに深く関わりがある遊び。出産なども潮に関連深いといわれていますが、宇宙の生命を感じられる遊びなのですね。

自然のリズムに寄り添いながら遊ぼう

さて、海に出た探険隊。岩場に一歩踏み込んだとたんに、貝がらを見つけはじめました。潮だまりにたどり着くまでも、発見がいっぱいです。思わず「早く海水がたまっている所まで行こう」と声をかけたくなりますが、「これも立派な海遊びのひとつです」と鍵井さん。水中撮影でも、自然のリズムに寄り添いながら撮影をしているだけに、子どもたちのリズムをとても大切にしてくださいます。本気で楽しむためには、子ども自身のペースを守りながら進めることが大事。鍵井さんご自身もお子さんたちと貝や波で角が丸く削られたシーガラスなどを拾い集めて、作品作りをしているそうです。
 
潮だまりに到着すると、いました、いました、ヤドカリ、ウミウシ、アメフラシにウニ!  

「生き物に出会って、わー! っとよろこびたい気持ちもわかるのですが、実は人間が騒ぎたてるとみんな岩陰に隠れてしまいます。そこをぐっとこらえて、ゆっくり、そうっと近づき静かにしていると、向こうから現れてきてくれますよ」。
 
「静かにするのよ!」と子どもに指示しておさえつけるのではなく、「生き物に気づかれないように、抜き足差し足忍び足でね……」と、静かに近寄ることも遊びのひとつにしてみると楽しそうです。「岩をひっくり返せば隠れた生き物を見つけることもできますし、時にはそれもよいでしょう。でも、岩陰は生き物にとって大切な寝床ですから、あまり荒らしすぎないようにしてあげたいですね」。

撮影/長尾浩之 取材・文/山田治奈

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