わが子の成長を“楽しむ”感覚で足を運びたい
赤ちゃんの心身の健康のために欠かせない乳幼児健診。定期的に行く必要があるのはなぜ? どこで受けるの? 病気などで受けそびれた時はどうしたらいいの? など、乳幼児健診の素朴な疑問について、小児科医の横田俊一郎先生に伺いました。
乳幼児健診は、「乳幼児の心身を健康に育てる」ということを目的に、赤ちゃんが順調に育っているか、成長や発達のうえで心配ごとや病気はないかに加え、起床、就寝時間や食生活など家庭での生活習慣や育児環境などを、成長の節目ごとに確認する場です。専門の先生から子育て全般についてのアドバイスを受けることができる貴重な機会ですので、受け忘れのないようにしましょう。
法律で義務づけられている乳幼児健診は、3~4カ月健診を含む1歳までに2回の健診、1歳半健診、3歳児健診の4つ。
あとは自治体の裁量によって決められ、市区町村によって時期が異なりますが、3歳まで5~6回の健診が行われるところがほとんどです。最近では5歳児健診を行う自治体も増えてきています。
乳幼児健診には、地域の保健センターなどに集まって行う「集団健診」と、かかりつけの小児科医のもとで受ける「個別健診」の2つの方法があります。いずれも市区町村から各家庭に案内状や受診表が郵送される場合がほとんどですが、広報誌などで情報収集し、わからないことがあったら保健所や市区町村役場に問い合わせましょう。
乳幼児健診の内容 ※市区町村により健診の時期は異なる場合があります。
●1カ月健診
体重や頭囲の増加、姿勢や筋肉の緊張に問題がないか、音や光に反応があるかどうかなどを確認。出産した病院で受診することが多い。
●3~4カ月健診
身体計測と内科診察に加え、首のすわり、人の顔や声に反応するかなどの発達と、治療が必要な先天性の疾患がないかを確認。
●6~7カ月健診
身体計測と内科診察に加え、寝返りやあお向けの赤ちゃんの顔に布をかぶせ手で取り払うかを見る検査などを行う。
●9~10カ月健診
身体計測と内科診察に加え、パラシュート反応検査(うつ伏せ
の赤ちゃんを両脇から支えて持ち上げ、体を前に倒したときに、両方の上肢を伸ばして体を支えようとする反応を見る)などを行う。
●1歳半健診
身体計測と内科診察に加え、転ばないで歩く、意味のある単語を話す、積み木が積める……などの確認を行う。歯科検診と合わせて行う場合も。
●3歳児健診
身体計測と内科診察に加え、片足で数秒立てるか、ごっこ遊びをするか、まねて丸が書けるか、赤、青など色がわかるか…など。集団生活を行うのに必要な社会性や生活習慣、言語、運動などの基本的発達を確認。
イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ