仲間とシェアする、ひとつのものを作り上げる気持ちを育む
少し慣れてきたら、いよいよ楽器の登場です。つの犬先生のコミカルな動きや合図に笑顔とリズムで応える子どもたち。そしてだんだん自由に、まるでオーケストラのような華やかさ。何も説明しなくても、リズムがひとつにまとまってくるから不思議です。
「自分の音がチームの音に役立っていると感じられることは、自分の存在を自身で認められる、自尊心へとつながる作業ですね」と、つの犬先生もうれしそう。
子ども達はというと、見たこともない打楽器の数々に魅了されている子、周囲を気にせず思い切り大きな音を出せることに興奮している子とさまざまです。
「打楽器は、千円以内でも手に入れることができます。お気に入りの楽器をみつけると、音楽への関心がぐっと高まりますよ」。もちろん、段ボールやペットボトルで手作り楽器を作ってもOK ですし、今回の参加者のなかには、クッションを打楽器代わりに遊んでいる子もいました。
「音楽を好きになるということは、一生の宝だと思うんです。上手い下手ではなく、まず好きになることができたらいいですね」。パパやママも苦しかったりつらいことがあったとき、音楽に救われた……と言う経験がある人もいるのでは? リズム遊びから始まる音楽生活で、人生を彩る音楽好きの子どもになってくれるといいですね。
リーダー(この日は、つの犬先生)の動きにあわせて、太鼓を鳴らします。足踏みの速さにあわせたり、ジャンプにあわせたり。大きな動きには大きく、小さな動きには小さくと、子どもたちの太鼓を叩く音も自然に動きにあってくるから不思議です。スピードにも変化を与えたり、あきることがありません。
2人1組で太鼓をはさんで向かい合います。最初にひとりが自由な リズムで太鼓をたたき、もう一人がまねっこします。このとき、ジェスチャーやキメのポーズを入れても楽しいです。子ども達にとって、相手のまねをして叩くのも、自分なりのリズムを考えるのも、なかなか難しい取り組みです。初めは大人が一緒にリードしながら。慣れたら子ども同士でもできるようになるでしょう。
A地点からB地点までドラムを一列に並べ、2チームになってAの両側に並び、ヨーイドンでトップ奏者がBまでの太鼓を順番に叩いていきます。Bまで叩き終わったらUターンしてAまで戻り、次の奏者にバチを渡します。最後の人が最初の奏者にバチを渡したらゴール。たたき方を、二回叩く、トントコトンと叩くなどと決めてもよし楽しいでしょう。ドラムの代わりに、裏返したバケツ、段ボールなどを使ってもOK! バケツや段ボールも思い切り叩くといい音がしますよ♪
高井奨太くん(5 歳)&道子ママ
もう少し小さいころ、音楽に触れさせるなら何がいいかな?と考えて、バチを買い与えたことがあって、枕やクッションなど、うるさくないものを叩いてよくリズム遊びしていたんです。今日の体験で、また久しぶりに家でやってみるかな? 帰宅後が楽しみです!
宮本葵衣ちゃん(5歳)&リサママ
リズム遊びと体操を合わせたような教室に通っているのですが、今日のドラムサークルも体全体で感じられる体験で、とても楽しく取り組めたようです。音楽と構えないで、生活の中のちょっとした遊びから広げられるといいですね。
堀遥磨(4歳)、祐介パパ&綾子ママ
まだあまり楽器にふれたことがないなかで、「ふれたい、たたきたい」という好奇心からがむしゃらに参加していましたが、徐々にルールを理解したり、コツをつかむ様子がみられてよかったです。
大場遥斗くん(4歳)&ひとみママ
小学校でダンスが必須授業になったと聞き、リズム遊びをやらせたいなぁと考えていたので、本当にいい体験ができました。家におもちゃのドラムがあっていつもテレビの音楽に合わせて太鼓を叩いているのですが、今日はコツがつかめたかも!
小野寺湊くん(3歳)、優パパ&由美子ママ
いろんな楽器を触ることができて、楽しかったです。初めて見るものもたくさんありましたが、どんなものも楽器になるんだなと、改めて感じました。体を動かしながらのリズム遊びは、いつも以上に子どもの笑顔がたくさん見られて、よかったです。
門馬実咲ちゃん(5歳)、渉くん(1歳)&里織ママ
いつもペットボトルにネジを入れてマラカスにしたり、手作り楽器を作って遊んでいます。ただ、遊び方がどうしてもワンパターンになりがちでした。今日は、遊び方のヒントをたくさんいただけたので、帰ってからもまた手作り楽器で遊んでみたいです。
撮影/長尾浩之 取材・文/山田治奈