自然との触れ合いが生活につながる!
春爛漫。気候がいいと、外の空気を味わえるような日帰り外出をしたくなりますね。miku世代におすすめしたいのが、フルーツ狩り。自然と触れ合いながら季節を感じられ、帰宅後にそのフルーツを使ってジャム作りをすると、レジャーの思い出を楽しめますよ。
西村千恵さん
ファームキャニング代表、二児の母。長男出産後、子育てのフィールドを東京から神奈川県・葉山に移し、自然の恵みをダイレクトに感じる暮らしの中でFARM CANNINGを設立。畑作りから収穫物の瓶詰めまでの年間クラス、ファームキャニングスクールを主宰。またB級品の対象になる野菜を使った瓶詰めをオーガニック商品として手作りで販売もしている。
フルーツ狩りは、世代の幅を超えて人気のレジャーのひとつ。体力もあまり使わず外の空気を味わえるので、三世代でも楽しめそうです。
「摘んだフルーツをジャムにしたら、その日だけでなく楽しみが倍に膨らむんじゃないかしら?」ということで、今回は、瓶詰めワークショップで知られる「FARM CANNING(ファームキャニング)」代表の西村千恵さんと一緒に、レモン狩り&ジャム作りに挑戦することに。集まってくれたミク読者3家族と一緒に、神奈川県の葉山まで足をのばしました。
Canning とは、ジャムをはじめとする保存食の瓶詰めのこと。Canは缶詰のイメージですが、英語では缶詰めも瓶詰めも同じ「can」です。「自宅で〝手作り保存食〟を作ること」は「ホームキャニング」といって、クッキングシーンでも注目されています。
フルーツ狩りが初めての子もいるなかで、どんな1日が待ち受けているかな? レモンの黄色い実しかしらない子どもたちは、どんな木に、どんな風にレモンがなっているのかを目撃するのは初体験。大人の背丈よりも高いレモンの木ですが、子どもがしゃがんで摘める高さにもたくさんのレモンがなっていました。「まずは、自由に好きなレモンを摘んでいいよ~」という声に「わー」っと一斉に摘み始めます。子どもの力でもぐのは少し力がいるけれど、丁寧に一つずつ。「わぁ、このレモン、すごく大きい!」大きさも形も一つひとつ個性があって、子どもたちは互いのレモンを見比べます。よく見ると、斑点があるものとないものが……。レモンはこうした斑点が付きやすい果実。農薬を使えば抑えられますが、今回ご協力いただいた「三留牧場」さんのレモン畑は、ジャム作りにも安心な無農薬なので、斑点のあるレモンが多いのです。「でも、おいしさには変わりがないのよ。食品ロスを減らすために、2個目からは斑点のあるレモンを収穫してみよう!」。
フルーツ狩りに行こう!
太陽の恵みを浴びて育ったフルーツ。八百屋さんやスーパーで並んでいるフルーツしかみたことがない子どもも多いかもしれませんが、どんな木に、どのように実がなるのか、本来の姿をみるのもいい経験。レモンの枝には小さなトゲもあるんですよ。自然に触れ合いながらの収穫は、子どもたちにとっても新発見の連続です。
●収穫時期カレンダー
※地域によって多少の差があります。
食品ロスって知ってる?
食品ロスとは、食べられる状態であるにもかかわらず、捨てられている食品のことをいいます。味には影響がないほどのキズや、形や大きさが市場の規格にあわずに廃棄されてしまうもの、市場で売れ残ってしまうものなど幅広くありますが、監修として協力してくれた西村さんは、特に形や大きさが規格外で廃棄されてしまう野菜などを取り寄せて、瓶詰め食品を作ることで食品ロスを減らそうと活動しています。今回のレモン狩りでも、斑点などがついているレモンを中心に収穫。「ジャムにするなら煮てしまうので、斑点があっても問題ありません。おいしさは一緒なんだよ」と、廃棄食材の存在について教えてくれました。日々の生活のなかでも、廃棄野菜を農家から直接取り寄せたり、食品の買いすぎを防いで廃棄食材を減らしたり、一人ひとりにできることがありそうですね。
イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ