妊娠中~乳幼児期が免疫力を高めるチャンス!
最近では、清潔志向の高まりにより、「菌=悪いもの」という思いから、様々な除菌や殺菌グッズがあふれています。しかし、過度な清潔志向は、かえって免疫力を弱めることになります。赤ちゃんのおもちゃやベビーカーなど、神経質に除菌し過ぎる必要はありません。
世の中には、数えきれないほどのウイルスや細菌が存在します。私たちの体は、それに出合うたびに新しい抗体を作って、病気にならないように戦っています。ですから、子どものうちにできるだけ多くの外敵に出合うことで、免疫力はどんどん高められます。具体的には、「泥んこ遊び」や「砂遊び」なども最適です。適度に菌と接触できる遊びをすることで、自然と免疫力が高められます。
子育てしていると、つい自分のことは後回しになりがちです。「風邪をひいたら長引く」「いつも体がだるい」「肌あれが続いている」などは免疫力低下のサイン。子どもと一緒に、生活リズムや食事を見直してみましょう。できるだけ休養を取って、自分をいたわる時間を持つことも必要です。毎日の生活を少し工夫して、親子で免疫力アップを目指しましょう。
●腸内バランスを整える食事
免疫細胞の多くは腸内に存在しているため、腸内バランスを整えることが大切。ヨーグルト、発酵食品、食物繊維を多く含む根菜などを摂り、脂肪分や糖分は控えめに。
●泥んこ遊びなどの外遊び
小さいうちに、適度に細菌やウイルスに触れることが、免疫力を高めることにつながります。泥んこ遊びや砂遊びなど、自然の中でのびのびと遊ぶ機会を作って。
●日に当たる
日光に当たると生成されるビタミンDには、免疫バランスを整える役割があります。妊娠中も、少し意識して日に当たる時間を持つと良いでしょう。
●手足を温める
免疫細胞は、体温が上昇すると活動が高まります。手足が冷える時は、手浴、足浴がおすすめ。
●インスタント食品や添加物
保存料や防腐剤などに含まれる添加物
は、腸内の良い菌の繁殖を止め、腸内
バランスを崩してしまうので、控えめに。
●過度な清潔志向
赤ちゃんのものや部屋を過度に消毒や殺菌しすぎると、免疫機能の発達を阻害することになります。子どものうちから、適度に菌に触れることも必要です。
●妊娠中の食事制限・ダイエット
妊娠中のダイエットは赤ちゃんの免疫機能が低下することにもつながるので、適度な体重増加を心がけて。また、妊娠中、授乳中に、医師の指示がなく特定の食品を制限したり、摂取し過ぎることは、アレルギーの発症につながる恐れもあるので避けましょう。
●不規則な生活
早寝早起きをすることで、成長ホルモンが分泌され、免疫バランスも整います。
親子で睡眠、食事、遊び(仕事)とメリハリのある生活を心がけましょう。
イラスト/犬塚円香 取材・文/椹寛子