王様のガレットの話

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新年を明けると街中のパティスリー(ケーキ屋さん)やパン屋、スーパーのあちこちで王冠が飾られた丸い形のガレット(お菓子)が売られます。

伝統的なものは、パイ生地の中にラム酒を利かせたフランジパーヌというアーモンドクリームが入ったのが主流です。最近は、それぞれのパティスリーで競うように独自の変り種ガレットを売ったりもしています。フランジパーヌクリームにフランボワーズ、マロン味、某日本人パティスリーなんかは、抹茶味のパイ生地に小豆などを加えたりと様々です。

Galette des Rois-王様のガレットと名づけられたこのお菓子は、1月6日のEpihanieの主日(カトリック教会で主の公現)イエス・キリストが生まれたクリスマスの夜に、東方の3人の博士が来訪し、キリストが神の子として世に公に現れたことを祝っていただくお菓子です。

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フランスでは、大体、新年最初の日曜日に家族や親しい友人達と集まってこのお菓子をいただきます。といってもこの日だけというわけではなく、新年を明けてから1月一杯くらいまでは、人が集まる度、ほぼ毎週のようにお祝いすることが多いのです。国によっては、謝肉祭のカーニヴァル2月中旬まで続くこともあるようですね。

私達家族も先日お呼ばれした友人宅で、今年の第一回目のガレットをいただきました。

Galette des Roisのいただき方は、先ずガレットを人数分(又はプラス1。プラス1の意味は、Par du bon Dieu / Part du pauvreと言って貧しい人に分け与えるための一切れとされています)に切り分け、ガレットの上にトーションのような布を覆って中に隠れたフェーヴ(FEVEとは、もともとはそら豆の意味。ガレットの中に入っている陶器でできた小さな人形)が見えないようにし、一人ずつ順番に手探りで取っていきます。子どもが居る時は、子どもがテーブルの下に隠れて、誰がどの部分を食べるか決めることもあります。

フェーヴがあたった人は、その日の王様となり王様の冠をかぶります。そしてこの1年は幸せに暮らせるというのです。自分のガレットの中にフェーブが入っているか、結構ドキドキするものです。実は私、今回初めて自分のガレットにフェーヴを見つけました!今まで、どれだけガレットをいただいたか分からないくらいですが、一度も見つけたことがなかったのです。あまりの嬉しさに、その場にいた子ども達をそっちのけで本気で喜んでしまいました。3歳の息子が、自分のガレットの中にもフェ-ブが入っているものと思い込んで、「僕のまだないよ。」と一生懸命食べている姿を見て、ちょっと裏工作をして彼のガレットに入れてやればよかったと後悔しましたが・・・

フェーヴがあたった王様は、次のガレットをふるまうことになっているらしいので、次回は初自作ガレットに挑んでみようかと思っています。