鼻水が無いのに鼻水止めが処方される理由とは?

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こんにちは!パパ薬剤師の中村守男です。あなたは『風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)』という言葉をご存知ですか?ウィキペディアによれば「ある事象の発生により一見すると全く関係の無いような思わぬ所・物事に対して影響が出ることの例えである」と書かれています。このコラムとは一見、何の関係もないように思えますが、実はこれと同じような事が子どもの薬(小児医療の現場)でもあるのです。

子どもの症状は「咳」。診察した小児科医からは「おくすり出しておきすね」と一言。薬局へ処方せんを持っていき、受け取った薬は「鼻水止め」と説明される。

「…え?うちの子鼻水なんて出てないのですが。どちらかと言うと咳がひどくて」。
なんて経験をされたママさんも多いかも知れません。

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具体的に小児医療(薬局)の現場でよく見る事例を挙げてみると…
◆事例① 鼻水なんて出てい無いのに「鼻水止め」が処方される。(症状は咳)
◆事例② 痰のからみなんて無いのに「痰切り」が処方される。(症状は目やに)
◆事例③ 吐き気なんて無いのに「吐き気止め」が処方される。(症状は腹痛)
ええ!何で?と思ったあなたのために、詳しく説明しましょう!

◆事例① 鼻水なんて出てい無いのに「鼻水止め」が処方される。(症状は咳)
実は、小さいお子さんは「咳が出る原因が鼻水」という事も結構あります。鼻水が鼻の穴から前に垂れるのではなく、喉の奥に流れる事により咳が生じるのです。だから、その原因の鼻水を止める薬を使う事で咳も止まるという仕組みです。

◆事例② 痰のからみなんて無いのに「痰切り」が処方される。(症状は目やに)
ご存知の通り、目と鼻と耳は繋がっています。目やにが出る原因はいろいろとありますが、小さい赤ちゃんなどはその原因の一つに「鼻づまり」があります。鼻の奥に溜まった分泌物が原因で、目から目やにが出る事もしばしば。その溜まった分泌物を取り除く為に使われる薬が「痰切り」なのです。

◆事例③ 吐き気なんて無いのに「吐き気止め」が処方される。(症状は腹痛)
昨日まで吐き気があったお子さんだが、今日はすでに落ち着いてる。でもお腹はグルグルと音を立ててるし食欲もない。そんな時に処方される「吐き気止め」の薬は、お腹の動きを正常に戻すための薬なのです。一般的に「吐き気止め」と言われる事が多い出のですが、その理由は「お腹の動きを正常に戻す事で吐き気が無くなる」という仕組みなのです。

ひとつの薬でも様々な作用があり、症状によって「○○の薬」と意味合いが変わってくるものです。しかしそんな事は普通のママさんは知らなくて当然。本当はしっかり薬剤師が伝えないといけないと思います。ただそこまで薬剤師のホスピタリティーができあがっていない現代。ママさんたちにできる事は「今日は○○という症状で受診しました」と一言付け加えること。「その症状だと、この薬は○○という効果があります」と正しい情報を得る事に繋がると思います。

パパ薬剤師 中村守男(メディカルパパ)